本資料の概要

・発刊日：2024年11月8日
・体裁：A4版368ページ（PDF）
・定価：CD-ROM版・ダウンロード版（本体価格220,000円+消費税）

本資料の特色

・「2025年版　中国の水電解槽開発の現状と参入メーカー動向」は、２月に発刊した「2024年版　世界の水電解槽開発の現状と参入メーカー動向」の姉妹版で、中国の水電解槽開発メーカーの水電解製品概要、受注／設置実績、生産能力、技術開発、最新動向をまとめた調査レポートです。中国電解槽メーカー134社（膜メーカーと触媒メーカーが数社ある）を取り上げました。
・中国政府は2022年3月、「水素エネルギー産業発展中長期計画（2021～2035年）」を発表した。それ以降、水素エネルギー市場は活況を呈し、陸続と新規参入企業を輩出している。
・中国政府は、水素エネルギー産業を戦略的に育成していく方針で、世界市場で大きなシェアを持つ「太陽電池」、「風力発電」、「バッテリー」産業を育成した成功体験と同様の戦略を描いている。国内では北西部で太陽光発電と風力発電による巨大な再エネファームの建設と、その電力を活用したグリーン水素製造が始まり、水素は水素パイプラインを通して都市部や産業地帯に送られ、化学工業や運輸分野で応用が始まっている。
・中国は膨大な内需により脱炭素化を推し進め、同時に再エネや水素製造・輸送・応用に至る設備コストを削減することで、高い価格競争力を持つ再エネファーム・水素製造・輸送・応用に至るインフラを含めた水素サプライチェーン全体の輸出を、海外とくに中東や南米・アフリカで始めようとしている。
・グリーン水素は、風力・太陽光の巨大発電ファームの建設と水電解によるグリーン水素製造、ガスパイプラインへの注入によるエネルギー貯蔵という一連のチェーンだけでなく、グリーン水素を活用した製鉄技術の革新、カーボンフリーアンモニア製造プロセスやe-fuelの製造、自動車・トラック・バス・船舶・飛行機・列車などの代替燃料、燃料電池による発電利用など、多岐にわたる水素バリューチェーンを具現化しつつある。
・欧米が先行し、ワールドワイドで立ち上がりつつ「Power to Gas」プロジェクトが遅々として進まない要因の一つとして、設備コストが高いことがあげられる。中国における水素戦略はそこに風穴を開けようとしている。価格競争力のある再エネ機器と水素製造設備は、特に発展途上国の「Power to Gas」プロジェクトを席巻するだけのパワーを持っているように思われる。
・デジタルリサーチでは、グリーン水素の製造プロジェクトである世界各国の「Power to Gas」事例集成や世界の水素エネルギー市場（製造・貯蔵・運搬・活用と知った水素サプライチェーン）、世界と中国の水電解装置の開発動向と市場動向などの調査を通して、多様な展開を見せている世界のグリーン水素チェーンや「Power to Gas市場」の現在を紹介していきたいと考えている。

◆本書の内容
2024年11月に刊行する「中国の水電解槽開発の現状と参入メーカー動向」」、中国の水電解槽開発メーカー134社を個票ベースでまとめた。調査内容はサンプル掲載した形式で134社を収載している。中国で開発が進んでいる「AEM電解」と「海水直接電解」に参入する企業と開発概況もまとめた。

【内容案内】
Ⅰ. 中国の水電解市場（2022～2024年） 4
1.　中国の水電解槽市場の概況（2022～2024年 5
（１）中国の水電解水素生産能力 7
（２）水電解槽の市場規模推移（2023～2025年）：容量ベース 7
（３）地域別の水電解槽需要（2023年上半期） 8
（４）水電解槽価格の推移 9
（５）水電解槽出荷量とメーカーシェア（2021～2023年） 9
（６）水電解槽メーカーの生産能力 11
（７）グリーン水素プロジェクトと電解槽入札状況 13
2.　中国の水電解槽市場（１）アルカリ型 15
◆アルカリ型水電解槽（単槽）の大型化 16
◆角型アルカリ電解槽開発の現状
3.　中国の水電解槽市場（２）PEM型 17
4.　中国の水電解槽市場（３）SOEC型 21
5.　中国のアニオン交換膜（AEM）型水電解技術の開発・産業化状況 22
（１）臥龍英耐徳（卧龍集団とEnapter AGの合弁会社） 24
（２）深圳穏石氫能科技有限公司（稳石氫能） 24
（３）恵州億緯氫能有限公司（億緯氫能） 25
（４）清能股份 26
（５）中電豊業 26
（６）北京未来氫能科技有限公司（未来氫能） 27
（７）無錫徳林海零碳科技有限公司（徳林海零碳） 27
（８）中国科学院大連化学物理研究所 28
6.　中国の海水電解水素製造技術について 29
Ⅱ.　中国の水電解槽市場参入メーカー個票
1.　愛徳曼氢能源装備有限公司（アルカリ型） 43
2.　廈門仲鑫達氫能技術有限公司（アルカリ型） 46
3. 安徽枡水新能源科技有限公司（PEM・AEM） 49
4.　内蒙古雲時代氫能科技有限公司（アルカリ） 50
5.　内蒙古億利氫田時代技術有限公司（アルカリ） 51
6.　易普斯能源科技（上海）有限公司（PEM、AEM） 53
7.　遠景能源（アルカリ型・PEM型） 55
8.　鄂尔多斯市国盛利華制氫設備有限公司（アルカリ・PEM） 57
9.　温州高企氫能科技有限公司（アルカリ型） 59
10.　海卓動力（青島）能源科技有限公司（アルカリ） 61
11.　海徳氫能源科技（江蘇）有限公司（アルカリ型） 63
12.　華商厦庚氢技術（厦門）有限公司（アルカリ） 65
13.　華電重工股份有限公司（アルカリ・PEM） 67
14.　華南理工大学広州現代産業技術研究院（PEM） 69
15.　 臥龍電気駆動集団股份有限公司／臥龍英耐徳（浙江）氫能科技有限公司（AEM） 70
16.　広東卡沃羅氫科技有限公司（広東卡沃羅小家電有限公司）（PEM） 72
17.　広東盛氫制氫設備有限公司（アルカリ） 75
18.　 広東泰極動力科技有限公司（AEM） 79
19.　 九豊能源集団有限公司 80
20.　堯景新能源（吉林）有限公司（アルカリ） 81
21. 恵州億緯氫能有限公司（AEM） 83
22.　傑鋒氢能科技（上海）有限公司（PEM） 87
23.　考克利爾競立（蘇州）氫能科技有限公司（アルカリ） 89
24.　広州高新区現代能源集団有限公司（PEM） 94
25.　江蘇鏵徳氫能源科技有限公司（PEM） 95
26.　江蘇興燃科技有限公司（PEM） 96
27.　江蘇国富氫能技術装備股份有限公司（アルカリ・PEM） 100
28.　江蘇清能新能源技術股份有限公司（PEM、AEM） 105
29.　江蘇双良新能源裝備有限公司（アルカリ） 109
30.　江蘇天合元氫科技有限公司（アルカリ） 112
31.　江蘇龍蟠科技股份有限公司（アルカリ） 114
32.　航天長征化学工程股份有限公司（アルカリ、PEM） 117
33.　康明斯恩澤（広東）氫能源科技有限公司（PEM） 119
34.　国家電投集団氫能科技発展有限公司（PEM） 123
35.　 国科綠氫（湖州）科技有限公司（アルカリ） 127
36.　湖南氢氢松松科技発展有限公司（アルカリ） 128
37.　鷺島氫能（厦門）科技有限公司（PEM） 129
38.　索拉爾緑色能源（蘇州）有限公司（アルカリ、AEM） 131
39.　三一氫能科技有限公司（アルカリ） 133
40.　山東奥揚新能源科技股份有限公司（アルカリ） 142
41.　山東漢徳自動化控制整備有限公司 146
42.　山東賽克賽斯氫能源有限公司（PEM） 147
43.　山東藍昆氢能源科技有限公司（アルカリ） 151
44.　山東藍拓氫能科技有限公司（アルカリ） 152
45.　四川亜聯氢能科技股份有限公司（アルカリ型） 154
46.　四川新工緑氢科技有限公司（PEM） 156
47.　上海重塑能源集団股份有限公司（PEM） 158
48.　上海泰氢晨能源科技有限公司（アルカリ） 161
49.　上海氫器時代科技有限公司（アルカリ、PEM） 162
50.　上海氫晨新能源科技有限公司／上海氫盛創合能源科技有限公司（PEM） 164
51.　上海文景能源科技有限公司（PEM、AEM） 167
52.　上海翌晶能源技術有限公司（SOEC） 168
53.　上海氫鋭科技有限公司（PEM） 171
54.　淳華氫能源科技（湖南）有限公司（PEM） 175
55.　常州市藍博氫能源科技有限公司（メタノール改質） 179
56.　深圳穏石氫能科技有限公司（AEM） 180
57.　深圳好風光氢能科技有限公司（アルカリ、PEM） 183
58.　深圳市暗流科技有限公司（PEM） 185
59.　深圳市凱豪達氫能源有限公司（アルカリ） 186
60.　深圳市瑞麟科技有限公司（瑞麟科技）（アルカリ・PEM） 188
61.　深圳市図霊科創産業発展有限公司（アルカリ、海水電解） 193
62.　深圳市緑航星際太空科技研究院（PEM） 196
63.　西安隆基氫能科技有限公司（アルカリ） 198
64.　 水沐氫華（北京）新能源科技有限公司（AEM） 207
65.　清耀（上海）新能源科技有限公司（アルカリ） 208
66.　浙江億孚科技有限公司（AEM) 210
67.　浙江高成緑能科技有限公司（PEM） 211
68.　浙江氫邦科技有限公司（SOEC） 213
69.　広東広晟氫能有限公司（SOEC） 215
70.　陝西華泰新能源科技有限責任公司（アルカリ） 217
71.　蘇州希倍優氫能源科技有限公司（希倍優氫能）（アルカリ） 219
72.　蘇州競立制氢設備有限公司（アルカリ） 222
73.　蘇州工業園区奧菲特気体設備有限公司（アルカリ） 225
74.　蘇州青騏驥科技集団有限公司（アルカリ） 228
75.　蘇州蘇氢制氢設備有限公司（アルカリ・海水直接電解） 230
76.　蘇州穆爾気体設備有限公司（アルカリ） 233
77.　蘇州緑萌氢能科技有限公司（アルカリ） 235
78.　中国科学院大連化学物理研究所（PEM） 238
79.　中国華電集団有限公司（アルカリ、PEM） 242
80.　中国華能集団有限公司（アルカリ） 246
81.　中国石油化工股份有限公司（PEM） 248
82.　 中国船舶集団有限公司第七一八研究所（アルカリ、PEM、AEM） 251
83.　中車株洲電力機車研究所有限公司（アルカリ） 253
84.　中車山東風電有限公司（アルカリ） 255
85.　中集集電（広東）科技発展有限公司（アルカリ） 257
86.　中集中電（揚州）制氫設備有限公司（アルカリ） 260
87.　中集氫能科技有限公司（アルカリ） 261
88.　中船（邯鄲）派瑞氫能科技有限公司（アルカリ、PEM、AEM） 263
89.　長春緑動氢能科技有限公司（PEM） 271
90.　氢沄（河南）新能源科技有限公司（PEM） 273
91.　氫輝能源（深圳）有限公司（PEM） 274
92.　青島創啓信徳新能源科技有限公司（アルカリ・PEM） 276
93.　天際氢能科技（北京）有限公司（アルカリ型） 278
94.　天津錦美氫源科技発展有限公司（アルカリ） 279
95.　天津市大陸制氫設備有限公司（アルカリ） 281
96.　天津市新気能源科技有限公司（アルカリ） 284
97.　 天順風能（蘇州）股份有限公司（AEM） 286
98.　東方電気集団東方鍋炉股份有限公司（PEM） 287
99.　南京永州恒源制氢設備有限公司（アルカリ） 289
100.　南通安思卓新能源有限公司（アルカリ） 291
101.　武漢華科福賽新能源有限責任公司（SOFC） 294
102.　武漢中極氫創産業創新中心有限公司（PEM） 295
103.　北京億華通科技股份有限公司（PEM） 296
104.　北京華易氫元科技有限公司（アルカリ・PEM） 298
105.　北京漢氫科技有限公司（アルカリ） 300
106.　北京吉拓創能科技有限公司（アルカリ） 303
107.　北京航宇高科氢能源科技有限公司（PEM） 305
108.　北京思偉特新能源科技有限公司（SOEC） 307
109.　北京質子動力発電技術有限公司（SOEC） 309
110.　北京中電豊業技術開発有限公司（アルカリ、PEM、AEM） 311
111. 北京中電緑波科技有限公司（アルカリ、AEM） 315
112.　北京氫羿能源科技有限公司（PEM） 317
113.　北京電力設備総廠有限公司（アルカリ） 319
114.　北京派瑞華氢能源科技有限公司（アルカリ・PEM） 321
115.　北京未来氫能科技有限公司（AEM） 323
116.　北京明陽氫能科技有限公司（アルカリ） 325
117.　宝鶏石油機械有限責任公司（アルカリ） 328
118.　無錫華光環保能源集団股份有限公司（アルカリ） 330
119.　無錫徳林海零碳科技有限公司（AEM） 332
120.　明陽智慧能源集団股份有限公司（アルカリ・PEM） 334
121.　融科氢能源有限公司（PEM） 339
122.　陽光氫能科技有限公司（アルカリ、PEM） 341
123.　揚州吉道能源有限公司（アルカリ） 347
124.　蘭州蘭石重型装備股份有限公司（アルカリ） 349
125.　率氢技術（北京）股份有限公司（PEM） 351
126.　 電堆科技（合肥）有限公司（SOEC） 354
127.　深圳市氫藍時代動力科技有限公司（PEM） 357
128.　安徽明天氢能科技股份有限公司（PEM） 359
129.　深圳市雄韜電源科技股份有限公司（PEM） 361
130.　 鴻基創能科技（広州）有限公司（PEM） 363
131.　 上海莒納新材料科技有限公司（アルカリ） 364
132.　宏沢海槿（江蘇）氫能源科技有限公司（アルカリ） 366
133.　氫致能源（江蘇）有限公司（海水電解） 368

◆企業個票サンプル
5.　内蒙古億利氫田時代技術有限公司（アルカリ）
1.企業概要

2.水電解技術の開発の概要
「角型アルカリ電解槽」
2024年3月、角型アルカリ電解槽の性能試験を実施。
・同サイズの円形電解槽より材料使用効率が高く、流場の配置が合理的。
・正極には自社開発の高性能・低コストの電極を採用している。
・85℃の低温、7,000A/m2の密度で24時間連続無停止運転を数週間実施後に性能劣化がない。
・高電気密度、低エネルギー消費で、電解槽の製造コストを大幅に低減し、電気変換効率を向上させることができる。（2024.3）　⇒　https://h2.in-en.com/html/h2-2434634.shtml

3.水電解槽製品概要
（１）1000Nm3/hアルカリ型電解槽

出典：https://baijiahao.baidu.com/s?id=1782072922825254580&wfr=spider&for=pc

出典：https://www.htech360.com/a/23757

4.最新動向
（１）億利氫田時代、1,000Nm3/hの水電解水素製造設備を出荷 ：億利氫田時代は2024年5月、1,000Nm3/hの水電解水素製造設備を億鈳公司に納入した。今回納入された設備には、電解槽、気液分離システム、精製システムが含まれている。億利氫田時代は、1GW／年の電解槽自動生産ラインを構築している。また、2~2,000Nm3/h の電解槽の設計・生産、および大規模な水素製造システムのカスタマイズ設計が可能である。 （2024.5）　⇒https://h2.in-en.com/html/h2-2436752.shtml

（２）億利氫田時代、水電解水素製造装置生産ラインの建設進む：億利氫田時代の生産ライン建設は2期に分けて総額9.58億元（約191億円）をかけて行われる。1期の生産ラインは4.5億元（約90億円）を投じ、生産能力は200セット/年、1GW以上である。2期は5.08億元（約101億円）をかけ、生産能力500セット/年、2.5GW以上を建設する。1期の生産ラインはすでに完成して生産を開始しており、2022年9月に初となる1,000Nm³/hのアルカリ電解槽をラインオフした。400～2,000Nm3/hの電解槽の生産を行う。（2024.1）⇒https://h2.in-en.com/html/h2-2432687.shtml

（３）億利氫田時代、アルカリ水電解水素製造設備2台を受注：億利氫田時代は2023年10月、内蒙古億鈳気体有限公司、包頭億鈳気体有限公司からアルカリ水電解水素製造設備2台（800Nm³/h、1,000Nm³/h）を受注した。億利氫田時代は、4.5億元（90億円）を投じて2.5GWの水電解水素製造設備製造生産拠点を内モンゴル自治区の庫布其に建設しており、1GW自動化生産ライン（第1段階）が完成し、稼動している。（2023.10）⇒　https://h2.in-en.com/html/h2-2429179.shtml