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2022年版 アドバンスト・エア・モビリティ(AAM)の開発動向と燃料電池の将来展望

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本資料の概要

・発刊日:2022年3月4日
・体裁:A4版243ページ(PDF)
・定価:CD-ROM版(本体価格250,000円+消費税)

本資料の特色

2022年3月に刊行する「2022年版 アドバンスト・エア・モビリティ(AAM)の開発動向と燃料電池の将来展望」は、参入企業が300社を超えるといわれているeVTOL(有人垂直離着陸機/空飛ぶクルマ/エアタクシー)の最新の開発動向をまとめた調査レポートです。
eVTOLの技術基盤は無人飛行機(UAV)、いわゆるドローンで、UAVの飛行姿勢制御には電気推進が有利なことから、eVTOLは開発当初からリチウムイオン電池による推進システムが採用されました。航続距離を延長するため燃料電池のアプリケーションとしても有望であるといえます。実際、現代自動車は米国でeVTOL開発専業のSupernalを設立、トヨタ自動車も米スタートアップJobyAviationに投資するなど、eVTOLの開発競争は、スタートアップ、飛行機メーカー、自動車メーカーを巻き込んで進行中で、さらにマイクロソフト、AmazonといったIT企業なども市場機会をうかがっています。実用化という面でも、2025年の大阪万博で、実際に空飛ぶクルマとして「エアタクシー」がお目見えするはずです。
デジタルリサーチでは、飛行機メーカー、自動車メーカー、有力スタートアップ、燃料電池メーカー、エアライン、世界各国のeVTOLプロジェクト動向、機体認証の現状など、多面的かつ網羅的な情報収集と調査・分析を実施し、eVTOL開発の全貌を最新情報とともに提供いたします。おそらく世界で最も網羅的かつ委曲を尽くした調査レポートになっていると思います。

本書の内容

2022年3月に刊行する「2022年版 アドバンスト・エア・モビリティ(AAM)の開発動向と燃料電池の将来展望」は、eVTOL市場に参入している飛行機メーカー(4社)、自動車メーカー(7社)、有力スタートアップ(17社)、燃料電池メーカー(8社)、エアライン(10社)の企業動向、世界各国のeVTOLプロジェクト動向、機体認証の現状などをまとめています。

【内容案内】
1. アドバンスト・エア・モビリティとは 7
1.1. 「アドバンスト・エア・モビリティ」の定義 7
1.2. 電動垂直離着陸 (EVTOL) 機の機体構成-アーキテクチャ 9

2. アドバンスト・エア・モビリティ市場の概況 12
2.1. 市場セグメント 12
2.1.1. ユースケース 12
2.1.2. 動力源による区分 15
2.1.3. AAMにおけるリチウムイオン電池と燃料電池の比較 15
2.2. 市場形成経緯と展望 20
2.2.1. 市場形成の経緯 20
2.2.2. AAMの社会受容性 22
2.2.3. AAM市場の展望 26
2.2.4. AAMにおける燃料電池の市場性 34

3. アドバンスト・エア・モビリティ業界の動向 38
3.1. 大手航空機メーカー 39
3.1.1. AIRBUS(欧州) 39
3.1.2. BOEING(アメリカ) 42
3.1.3. EMBRAER(ブラジル) 47
3.1.4. BELL HELICOPTER TEXTRON(アメリカ) 50
3.2. 大手自動車メーカー 51
3.2.1. 現代自動車(韓国) 51
3.2.2. ホンダ 54
3.2.3. トヨタ自動車 56
3.2.4. STELLANTIS(オランダ) 57
3.2.5. PORCHE(ドイツ) 57
3.2.6. XPENG MOTORS(中国) 58
3.2.7. GEELY AUTO(中国) 58
3.3. スタートアップ企業 59
3.3.1. ALAKA’I TECHNOLOGIES (アメリカ) 59
3.3.2. AMSL AERO (オーストラリア) 63
3.3.3. ARCHER AVIATION(アメリカ) 65
3.3.4. BARTINI(アメリカ) 68
3.3.5. BETA TECHNOLOGIES(アメリカ) 70
3.3.6. DUFOUR AEROSPACE (スイス) 73
3.3.7. EHANG(中国) 75
3.3.8. HAPPY TAKEOFF (アメリカ) 78
3.3.9. JOBY AVIATION(アメリカ) 80
3.3.10. KITTY HAWK(アメリカ) 84
3.3.11. LILIUM(ドイツ) 86
3.3.12. PIASECKI AIRCRAFT (アメリカ) 89
3.3.13. SKYDRIVE(日本) 92
3.3.14. URBAN AERONAUTICS (イスラエル) 94
3.3.15. VERTICAL AEROSPACE(イギリス) 97
3.3.16. VOLOCOPTER(ドイツ) 99
3.3.17. XTI AIRCRAFT (アメリカ) 104
付表:EVTOL機一覧・性能評価 107
付表:EVTOL機主要プレイヤーの動向一覧 110
3.4. 従来型航空機(CTOL)の電動化動向 123
3.4.1. AIRBUS 123
3.4.2. BOEING(アメリカ) 125
3.4.3. EASYJET(イギリス) 126
3.4.4. EVIATION AIRCRAFT(アメリカ) 127
3.4.5. HES ENERGY SYSTEMS(シンガポール) 127
3.4.6. H2FLY(ドイツ) 128
3.4.7. PIPISTREL AIRCRAFT(スロベニア) 129
3.4.8. UNIVERSAL HYDROGEN(アメリカ) 129
3.4.9. WRIGHT ELECTRIC(アメリカ) 130
3.4.10. ZeroAvia(イギリス・アメリカ) 130
3.5. 航空機燃料電池主要プレイヤー 132
3.5.1. DOOSAN MOBILITY INNOVATION(韓国) 132
3.5.2. ELRINGKLINGER(ドイツ) 136
3.5.3. HANWHA AEROSPACE(韓国) 137
3.5.4. HYDROGENICS(カナダ) 139
3.5.5. HYPOINT(アメリカ) 140
3.5.6. INTELLIGENT ENERGY(イギリス) 154
3.5.7. PLUG POWER(アメリカ) 161
3.5.8. POWERCELL SWEDEN(スウェーデン) 165
付表:航空機分野燃料電池開発動向の一覧 168
3.6. EVTOL機の特許出願状況 191
3.7. 航空会社による脱炭素化の動向 193
3.7.1. UNITED AIRLINES(アメリカ) 193
3.7.2. ALASKA AIRLINES(アメリカ) 194
3.7.3. GOL(ブラジル) 194
3.7.4. 日本航空 194
3.7.5. WIDERØE (ノルウェー) 195
3.7.6. ICELANDAIR(アイスランド) 195
3.7.7. CONNECT AIRLINES(アメリカ) 196
3.7.8. VIRGIN ATLANTIC(イギリス) 196
3.7.9. JETBLUE(アメリカ) 196
3.7.10. REPUBLIC AIRWAYS(アメリカ) 197

4. アドバンスト・エア・モビリティの政策およびプロジェクト 198
4.1. アメリカ 199
4.1.1. 連邦政府:AAM COORDINATION AND LEADERSHIP ACT 199
4.1.2. FAA/NASA:AAM運用概念(CONOPS)構築 200
4.1.3. NASA:ADVANCED AIR MOBILITY ミッション 202
4.1.4. NASA:ナショナル・キャンペーン(NASA’S NATIONAL CAMPAIGN) 205
4.1.5. 米空軍:AFWERX AGILITY PRIME 207
4.1.6. インフラ支出法案(INFRASTRUCTURE INVESTMENT AND JOBS ACT) 208
4.1.7. FAA:米国航空気候行動計画(ACAP) 209
4.2. 欧州 210
4.2.1. UK FUTURE FLIGHT CHALLENGE(イギリス) 210
4.2.2. EVTOL SAFETY LEADERSHIP GROUP:EVSLG(イギリス) 212
4.2.3. AIR ONE(イギリス) 212
4.2.4. UIC2:URBAN AIR MOBILITY INITIATIVE CITIES COMMUNITY(欧州) 213
4.2.5. DLR「HORIZONUAM」(ドイツ) 214
4.2.6. パリ地域都市型エアモビリティ実証センター(フランス) 215
4.2.7. 欧州UAM環境整備大規模実証AMU-LED(欧州) 216
4.3. 韓国 217
4.3.1. UAM TEAM KOREA 217
4.4. 日本 218
4.4.1. 空の移動革命に向けた官民協議会 218
4.4.2. 日本航空電動化(ECLAIR)コンソーシアム 220
4.4.3. NEDO 空飛ぶクルマの先導調査研究 221
4.4.4. エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業 222

5. アドバンスト・エア・モビリティにおける認証制度 223
5.1. 機体認証 224
5.2. EVTOL機の認証基準 226
5.3. 電源システムの認証 228

6. アドバンスト・エア・モビリティ市場における燃料電池の課題と展望 231
6.1. 水素供給インフラ 231
6.2. 水素貯蔵タンク 235
参照文献リスト 240

【eVTOL開発メーカーの調査内容】

2.1.1.ALAKA’I TECHNOLOGIES 💧(アメリカ)

2006年に設立された新興のエアモビリティ企業。経営陣にNASA、米Raytheon、Beech Aircraftなど航空宇宙開発に長年携わる企業の出身者が名を連ねる。水素を動力源とするモビリティによって交通手段の変革を目指すことを表明している。開発中の5人乗り(パイロット1人と乗客4人)「Skai」は、燃料電池を搭載し、最大積載量1,000ポンド(454kg)、時速118マイル(190km)で飛行時間4時間超、航続距離約400マイル(644km)の性能を有する。2021年頃から本格的にeVTOL機開発に着手。バッテリーによるeVTOL機開発を目指して数百ものシミュレーションを実施したのち、目指す飛行時間が得られないとことから燃料電池駆動に切り替えたとのこと 。Alaka’iは、ハイブリッド燃料電池推進システムについて複数の特許を保有している。

(1)企業概要

概要:経営陣にNASAの他、Raytheon、Beech Aircraftなど、航空宇宙開発に長年携わる企業の出身者が名を連ねる。水素を動力源とするモビリティによって交通手段の変革を目指す。

(2)機体概要

The Next Web 2021.11.10 Move over, batteries: green hydrogen is the key to getting flying taxis off the ground https://thenextweb.com/news/hydrogen-powered-vtol-aircraft-are-the-future-according-to-skai
Wired 2019.5.30 Flying Car Startup Alaka’i Bets Hydrogen Can Outdo Batteries https://www.wired.com/story/alakai-flying-car-air-taxi-evtol-hydrogen/

(3)機体の特徴
•低騒音・低回転設計の6ローター
•3つの主要システム、ローター、燃料電池、フライトコンピューターは3重の冗長化
•着陸時の衝撃を軽減するカーボン複合材料で出来た機体と着陸装置
•キャビン内では、FAA認定の衝撃吸収シートを採用し、4点式シートベルトで乗員の安全・安心を確保
•フェイルセーフのパラシュートシステム搭載
•LIDAR(光検出距離計)とカメラセンサーを組み合わせたシステムで、進路上にある大小の物体を検出
•Automatic Dependent Surveillance – Broadcast (ADS-B):「放送型自動従属監視」。航空機が自身の位置を正確に把握して送信することで、航空管制官(ATC)や他の航空機がリアルタイムで追跡することを可能にするシステム。FAAの次世代交通システムの要となるとされている。
•BMWグループ傘下Designworksにより、燃料電池、水素タンクや座席などのコンポーネントのレイアウトを含む機体アーキテクチャとコンフィギュレーションを決定。機体への構造的負荷軽減のため、部品の大半を低い位置に配置。水素燃料タンクは後部座席の後ろに横向きに配置され、車体後部の幅が最も広くなるように設計された。このため、後部に細長い「ボートテール」と呼ばれる外装を作り、気流の剥離を遅らせ、機体全長にわたって付着したままにして抵抗を最小化することが可能となった。

(4)推進システムの特徴
•PEM(Polymer Electrolyte Membrane、固体高分子形)燃料電池を採用。PEM燃料電池は、他の燃料電池に比べて出力密度が高く、重量やサイズが小さいという特長がある。
•液体水素燃料タンクは二重壁のステンレス製で、45口径の弾丸を貫通させない強度を持つ。
•PRD (Pressure relief devices、圧力軽減装置):燃料システムを過圧によるバースト故障から保護するための装置。「Skai」の燃料タンク内の液体水素は低圧(約50PSI)だが、PRDは水素ガスが発生してタンク内が過圧にならないように保護するために設置。水素は一部の金属を脆化させるため、水素用のタンクとPRDは特別に作られている。タンク内の圧力が安全レベルを超えた場合には、PRDのバルブが開き、無害で腐食しないガスが安全に放出される。
•多数の燃料システムセンサー:効率と安全な継続的性能を確保するために、複数の水素リークセンサーにより漏出を検知すると警報システムに接続される。飛行中は地上へのテレメトリーとして利用可能。また、駐機中にも専用のセンサーがあり、継続的に漏出を検知するフェイルセーフ機能を備える。

(5)開発・導入スケジュール

(6)提携・プロジェクト

(7)最近の動向

FCHEA June 2019 https://myemail.constantcontact.com/Fuel-Cell-and-Hydrogen-Energy-Connection—June-2019.html?soid=1104412315763&aid=i3hkQ6zI1PY
The Next Web 2021.11.10 Move over, batteries: green hydrogen is the key to getting flying taxis off the ground https://thenextweb.com/news/hydrogen-powered-vtol-aircraft-are-the-future-according-to-skai

【eVTOL向け燃料電池開発メーカーの調査内容】

2.2.1. DOOSAN MOBILITY INNOVATION(韓国)

Doosan Corpが、無人航空機(UAV)事業を統括する目的で2016年に設立した完全子会社。Doosanは、ドローン、産業用車両、建設機械、ロボティクスなどに特化したPAFC、PEMFCアプリケーションを開発している。現在、ドローン向け燃料電池システムおよび燃料電池ドローンを提供。
Doosan Mobility Innovation(DMI)は、2020年7月、国土交通省が 主催する「Urban Air Mobility (UAM) Team Korea」に参加を表明した 。「UAM Team Korea」には 40 以上の企業や研究機関が参加している。国土交通省は 2025 年に都市部エアタクシーを商業化、2035 年までに自立飛行が可能なエアタクシーを開発する 「K-UAM ロードマップ」を発表した。物流分野では 100~400km の長距離飛行が可能でペイロード 5~15kg の総重量 100~200kg 程度の無人飛行機の開発を目標にしている。DMI は軽量級と重量級eVTOL機向けに燃料電池技術を開発中である。

FuelCellsWorks 2020.7.2 Doosan Mobility Participates in ‘UAM Team Korea’ : To Develop Fuel Cell Technology for Light and Heavy Flying Vehicles https://fuelcellsworks.com/news/doosan-mobility-participates-in-uam-team-korea-to-develop-fuel-cell-technology-for-light-and-heavy-flying-vehicles/

(1)企業概要

(2)製品・技術
DMIの燃料電池製品「Powerpack DP30」は、冷却用ファン、スタック出力を制御する電源ボード、データ取得内部センサー、燃料電池スタックを一つに統合した総合システム。独自開発の極薄メタルをセパレータに使用し、超軽量化を図っている。スタックの主要材料はMEAで、これらにより高エネルギー出力と耐久性を持たせている。また、セル間のエネルギー出力を均一に保つスタック構造で、飛行中の安定した高エネルギー供給を可能にした。さらに、離着陸時の負荷変動緩和と冗長性確保のために電池とのハイブリッドシステムを構築した。DMIの「Viewアプリ」を使用することで電圧やアンペア数、水素残量などをリアルタイムでモニターできる。

図. DMI DP30 Powerpack 仕様・性能

(3)提携・プロジェクト

(4)最近の動向

(5) 業績
売上:5億ドル(約550億円)(Websiteより)

【eVTOL機 メーカー別試作機体一覧と性能相関分布】

図. eVTOL機-航続距離・巡航速度 相関(各社公表性能を基にデジタルリサーチ作成)